NHKは5日から、村上春樹さんの連作短編集を原作にしたドラマ「地震のあとで」(土曜夜10時、全4話)を放送する。阪神・淡路大震災から30年。映画「ドライブ・マイ・カー」と連続テレビ小説「あまちゃん」の制作陣が集まり、震災を見つめ直す。どのように作品が生まれ、どんな問題意識を持って制作したのか。話を聞いた。
兵庫県育ちの村上さんは1999年、文芸誌に「地震のあとで」と題する連作を発表。翌年、これらを収めた「神の子どもたちはみな踊る」を出した。
今回はそのうち4編をドラマ化。この30年を振り返るために原作とは年代設定を変えるなどアレンジし、震災の影響を受けた人々の内面を繊細に描く。
第1話「UFOが釧路に降りる」の舞台は、震災があった95年。震災発生以来ニュース映像を見続けていた未名(橋本愛)が失踪する。夫の小村(岡田将生)は失意の中、後輩に頼まれた「箱」を届けるため、北海道・釧路に向かう。
第2話の「アイロンのある風景」では東日本大震災のあった2011年、新興宗教を扱う第3話「神の子どもたちはみな踊る」は20年、第4話「続・かえるくん、東京を救う」は25年がそれぞれ舞台だ。
第1話に出演した橋本さんは取材会でこう話した。
「私は地震のあとの96年に生まれました。この景色も世界も常に移り変わっていくものだという感覚はずっとあります」
- 岡田将生「大地も心も揺れた30年」 村上春樹原作「地震のあとで」
演出を務めるのは井上剛さん。阪神・淡路大震災を扱ったドラマ「その街のこども」(2010年)、東日本大震災を描いた「あまちゃん」(13年)のメガホンをとってきた。
「95年当時、『こんなむごいことはもう起きない』と多くの人が思っていたが、それからの30年で数多くの天災があった。私たちの物語として、人々の心が揺れ続けてきたことを描いてみたいと思った」
今作は、1話ごとに登場人物や物語は異なるが、オムニバスではなく、連作だと強調する。
「理解できなくても、心が震える」
企画の発端は、井上さんが感じた「その街のこども」の見られ方の変化だった。
同作は震災15年後の前日夜、子どもの頃に被災した男女が夜通し街を歩く中、心に残る傷と負い目を見つめる。
この作品は映画化もされ、毎年、阪神地区で上映されているという。その様子を見てきて「震災の真ん中ではなく、周辺にいる人間たちが増えている。何か作品として残したい」と思ったという。
井上さんが約2年前、声をか…